11月の抄読会

医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様

今月の抄読会のご案内です。

医学生、研修医の皆様にもZoomでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。
今月の紹介論文をご案内させて頂きます。
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11月15日(水)19:00〜 Zoom形式

公立富岡総合病院 神戸 美欧
ニューモシスチス肺炎予防目的のST合剤投与中止の原因および投与中に観察された血小板減少症について

Sulfamethoxazole-trimethoprim for pneumocystis pneumonia prophylaxis, causes of discontinuation and thrombocytopenia observed during administration: A single-center retrospective study. Hashimoto M, et al. J Infect Chemother. 2023 Oct 4:S1341-321X(23)00240-4.
ST合剤はPCPの第一選択および予防薬として費用対効果が高い治療法ですが、PCP予防のためのST投与基準は不明確なままであり、有害事象のために中止されることもしばしばあります。本研究は、PCP予防のためにST合剤を投与された患者162例のデータを後ろ向きに解析し、ST合剤非中止群とST合剤中止群の間で臨床的特徴、検査データ、有害事象の発生率を比較したものです。ST合剤中止の原因として血小板減少が最も多く、さらに血小板減少に相関する因子として、年齢50歳以上、リンパ球数1000/μL未満、血小板数18万/μL未満の3因子が同定されました。日常診療の一助になればと思い、ご紹介させていただきます。


前橋赤十字病院 申 悠樹
「人とすれ違った時に新型コロナウイルスに感染するリスクはいつが高いか」

Peak risk of SARS-CoV-2 infection within 5 s of face-to-face encounters: an observational/retrospective study
Takeshi Asai, et al. Scientific Reports. 2023 Oct ;13: 17520.

一時期より患者は減っている印象はありますが、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザには依然注意が必要な状況かと思います。買い物などで外出をする際、ノーマスクの方とすれ違う時に少し心配になるのは私だけでしょうか。今回の抄読会では、「人とすれ違った時、新型コロナウイルスに感染するリスクはどのタイミングで高くなるのか」を調べた非常にユニークな論文を紹介させていただきます。