ご挨拶

我が国の高齢化は進み、呼吸器疾患の患者は増加の一途を辿っています。そして、様々なアレルギー疾患も増加しており病態も多様化しています。
呼吸器・アレルギー内科では、①肺癌などの腫瘍性疾患、②気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの気道疾患、③特発性肺線維症を始めとした間質性肺疾患、④肺炎、結核、非結核性抗酸菌症、COVID-19などの感染症、⑥睡眠時無呼吸症候群などの生活習慣と関連がある疾患、⑦肺高血圧症、肺動脈血栓塞栓症などの肺循環疾患、などを対象にしています。さらにこれらの疾患の中には膠原病をはじめとした全身性疾患の肺病変として、または他疾患の治療中の合併症・併存症として生じてくることがあるのも特徴です。呼吸器・アレルギー領域の専門医として多種多様な疾患の患者さんの診断と治療を行っていくためには、確かな知識と経験を会得していくことが必要です。
群馬大学呼吸器・アレルギー内科は、群馬県・埼玉北部の医療機関と密に連携しています。大学病院・地域の基幹病院、それぞれに特徴があります。様々な医療機関での幅広い研鑽を通して、呼吸器・アレルギー疾患への知識と経験を兼ね備えた、総合的な視野で診療できる呼吸器・アレルギー内科医を育てています。そして、一人ひとりがそれぞれの能力を存分に自由に発揮し、群馬の医療、日本の医療、ひいては世界の舞台でも活躍できることを目標に取り組んでいます。
この十年で、呼吸器疾患の治療は大きな変貌を遂げています。肺癌の治療は分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬により、特発性肺線維症も抗線維化薬により、気管支喘息も分子標的薬により、大きく進歩しています。さらなる前進を、ともに歩んでいきませんか。
そして、学問としての呼吸器・アレルギー内科学の重要性も増すばかりです。呼吸器・アレルギー内科学ではまだまだ解明できていないことが多いです。新たな病態を解明する基礎研究を行う優れた人材、総合的な視野で新規の診断法や治療法を開発する臨床研究を行う優れた人材、そのような優れた人材を育成していくことは我々の喜びでもあります。是非、これからの未来を担う皆さんに世界に羽ばたいていって欲しい、そう強く望んでいます。
呼吸器・アレルギー内科を専門としている自分の未来を想像してみてください。きっと、そこには輝かしい未来が待っていると思います。未来のより良い医学・医療に向かって、共に学び、共に考え、時に共に悩み、そして共に高く羽ばたきましょう。


呼吸器・アレルギー内科には、92名の医会員、8名の専攻医が在籍しています。
前橋赤十字病院、高崎総合医療センター、渋川医療センター、伊勢崎市民病院、公立富岡総合病院、公立藤岡総合病院、桐生厚生病院、利根中央病院、上武呼吸器科内科病院、群馬県立がんセンターなど、群馬県内の多くの病院やがんセンターと連携して、気管支喘息、COPD、間質性肺炎、呼吸器感染症、肺癌など幅広い呼吸器・アレルギー系疾患についての臨床、教育、研究を行なっています。
当科の特色として、感染症、アレルギー、膠原病、悪性疾患と多種多様な疾患の診療に携わるため、教育面では呼吸器内科の専門領域にとらわれない総合的な内科診療の実力を身につけることができます。研究面では気管支喘息、間質性肺炎、肺癌など呼吸器・アレルギー内科学に関する様々な臨床研究や基礎研究を行っており、多くの医会員が国内や海外の留学を経験し、学位を取得しています。
卒後20年目までの医会員のうち約3割が女性ですが、家庭と仕事のライフワークバランスを保ちながら活躍できることも魅力のひとつです。このように、各医会員の希望を尊重しながらキャリアアップが図れますので、当科での臨床研修や研究にご興味がある方は是非ご連絡をお待ちしています。
人口の高齢化に伴って呼吸器・アレルギー疾患が増加する一方で、呼吸器を専門とする医師は全国的に不足しており、県内においても呼吸器内科医のニーズがあります。既に臨床研修を終えられて、群馬県や周辺近隣地域で働きたい希望のある呼吸器内科の先生がいらっしゃいましたら、是非ともご一報いただけると幸いです。


私は、2018年9月まで群馬大学呼吸器・アレルギー内科の診療科長を務めておりました。
同年10月1日からは、現職の群馬大学大学院保健学研究科教授として勤務しております。引き続き、同じ昭和キャンパス内で呼吸器・アレルギー内科のメンバーといっしょに臨床・研究に励んでいます。
現在は、日本呼吸器学会理事、日本アレルギー学会理事として、微力ながら学会活動にも貢献しています。群馬大学呼吸器・アレルギー内科学分野には偉大な多くの先達がいらっしゃいます。先輩たちが築いてきた輝かしい歴史を通して、いわばその伝統芸を学ぶことができます。
これからの医療を担っていく皆さん、未来のより良い医療を創るために、私たちと一緒に医学研究を推進して、仲間とともに切磋琢磨していきませんか。

呼吸器・アレルギー内科で担当する患者さんは、主に、①気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性咳嗽などの気道疾患、②各種間質性陰影をきたすびまん性肺疾患、③肺癌を主とする腫瘍性疾患、④市中肺炎、院内肺炎などを中心とした呼吸器感染症(もちろんCOVID-19の対応も含めて)、⑥肺高血圧、肺動脈血栓塞栓症などの肺循環疾患、⑦睡眠時無呼吸症候群などの異常呼吸疾患などを持った方です。幅広く多くの患者さんを診ることができます。
さらに呼吸器・アレルギー内科では、これらの疾患の急性期呼吸管理などを求められる事も多々あります。
このように多岐にわたるニーズに対して、専門医として自信と責任を持って診療していくためには、確かな知識、経験、テクニックそして何よりも主治医のハートが大切です。

ここでは私たちの築いてきたネットワークを活かしていくことができます。世界に発信し続ける呼吸器・アレルギー学研究、そして目の前で待っている患者さんのために、より良い医療を群馬大学呼吸器・アレルギー内科のメンバーといっしょに実践していってくれる仲間を待っています!