8月オンライン抄読会-肺癌・COPD・結核における最新治療エビデンス

本格的な夏の訪れを感じる8月となりました。暑さの厳しい時期ではありますが、落ち着いた環境で学びを深められるよう、下記の日程でオンライン抄読会を開催いたします。

今回は、肺癌、COPD、結核をテーマに、薬物療法や治療戦略に関する最新の知見を取り上げます。日々の診療にも関わりの深いテーマについて、最新のエビデンスをもとに、臨床への応用を見据えたディスカッションを行う予定です。

オンライン開催のため、場所を問わず気軽にご参加いただけます。リラックスした雰囲気の中で、日々の診療や研究を振り返りながら、新たな視点や気づきを得る機会となれば幸いです。

ご都合のつく方は、ぜひお気軽にご参加ください。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。

====== 8月26日(水)19:00〜 Microsoft Teams形式======

1)伊勢崎市民病院  吉田 虎士朗先生
「切除不能Ⅲ期非小細胞肺癌における化学放射線療法後のデュルバルマブ維持療法に対するPPIおよび抗菌薬服用の影響検討」

Brunetti L, et al. Differential impact of proton pump inhibitors and antibiotics on immunotherapy efficacy after chemoradiotherapy in locally advanced non-small-cell lung cancer: a post-hoc analysis of the PACIFIC trial. Lancet Oncol. 2026;27(8):1043-1056.

進行癌では免疫チェックポイント阻害薬(PPI)開始時のPPIおよび抗菌薬の使用がICIの効果減弱に関連することが報告されている。しかし、早期の病期でも同様の関連がみられるかについては不明である。今回の抄読会では、切除不能StageⅢNSCLC患者を対象に、ベースライン時のPPIおよび抗菌薬の使用とPFSおよびOSとの関連について検討した論文を紹介いたします。

2)伊勢崎市民病院  塙 雅子先生
「慢性閉塞性肺疾患における慢性的なPPI使用での増悪リスクについて」

Dehondt V, Van Vaerenbergh F, Verhamme K, Lahousse L. Chest, 2026, Epub ahead of print.

慢性閉塞性肺疾患の患者を対象にベルギーの全国データを用いて解析した結果、PPI(プロトンポンプ阻害薬)の長期使用は増悪リスクの上昇と関連していた。さらに、使用量が多いほどリスクが高まる傾向が確認された。
若年層や虚弱でない患者など、一部の集団でこの関連がより強くみられ、逆に胃食道逆流症での短期使用では有意な関連はなかった。
総じて、閉塞性肺疾患の診療ではPPI使用の慎重な判断が必要であることが示唆された論文について報告する。

3)群馬大学医学部附属病院 飯島 崚太郎先生
「リファンピシン耐性結核患者に対する6ヵ月短期レジメンの有効性と安全性の検討」

Francesca Conradie, et al. A Pragmatic Trial of a 6-Month Strategy for Rifampicin-Resistant Tuberculosis. N Engl J Med 2026;394:2429-2439


私が初期研修を行い、また現在外勤先でもある伊勢崎市民病院が所在する伊勢崎市は、県内の自治体の中で外国人居住人口が1位となっています。またここ数年、群馬県内で新規に登録された結核患者に占める外国出身者の割合は増加傾向にあり、今後外国人居住者が多い伊勢崎市においては結核治療の重要性は増していくものと思われます。今回の抄読会では、服用する薬剤が多く、治療期間も長期にわたるリファンピシン耐性結核患者の治療について、新規に承認された薬も用いて治療期間の短縮を図り、その有効性と安全性を検討した論文をご紹介します。