1月25日抄読会につきまして
医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様
皆様におかれましては、大変忙しい日々かと思いますが、今月も抄読会を定期開催させていただきます。
医学生、研修医の皆様にもZoomでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。
今月の紹介論文をご案内させて頂きます。
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1月25日(水)19:00〜 Zoom形式
1)伊勢崎市民病院 小林 頂先生
「医療従事者におけるCOVID-19予防効果に対するマスクの種類について」
Loeb M, et al. Medical Masks Versus N95 Respirators for Preventing COVID-19 Among Health Care Workers : A Randomized Trial. Ann Intern Med. 2022 Dec;175(12):1629-1638.
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に接する医療者のマスクの種類によるCOVID-19予防効果を調査したところ、サージカルマスクがN95マスクと比較して非劣性であったことが、カナダ・マックマスター大学のMark Loeb氏らによる多施設共同無作為化非劣性試験の結果、明らかになりました。我々呼吸器内科医としては、臨床の現場ではCOVID-19確定もしくは疑い患者らと直接診療にあたる機会が非常に多いと思います。今回の論文によって、今後COVID-19診療がよりスムーズに行えるきっかけとなればと思い紹介させていただきます。
2)前橋赤十字病院 神宮 飛鳥先生
「進行期非小細胞癌における,TTF-1発現とPD-1/PD-L1阻害薬併用ペメトレキセド+プラチナ製剤療法の効果の関係性について」
Ritsh Ibusuki, et al. Association of thyroid transcription factor-1 (TTF-1) expression with efficacy of PD-1/PD-L1 inhibitors plus pemetrexed and platinum chemotherapy in advanced non-squamous non-small cell lung cancer. Transl Lung Cancer Res. 2022 Nov;11(11):2208-2215.
ペメトレキセド+プラチナ製剤による化学療法の効果は,腫瘍組織中のTTF-1発現により左右されることがよく知られているが,そこにPD-1/PD-L1阻害薬を併用した場合に効果がどうなるかはよくわかっていない.
そこで今回,腫瘍組織のTTF-1発現の程度と,ペメトレキセド+プラチナ製剤+PD-1/PD-L1阻害薬の治療効果について,レトロスペクティブに解析を行った報告があったので紹介する.
3) 群馬大学医学部附属病院 横田 暢先生
「塗抹陰性肺結核の診断における胃液検査の有用性」
Shimoda M, et al. Usefulness of gastric aspirate for the diagnosis of smear-negative pulmonary tuberculosis. Journal of Infection and Chemotherapy 2022;28:1041-44
本邦は結核に関して長らく蔓延国と位置づけられてきましたが、2021年の統計で10万人あたり罹患率9.2と低蔓延国入りを果たしました。一方で同統計はCOVID-19流行の影響も考えられるため、依然として油断してはいけない疾患であることに変わりはありません。その感染性から速やかな診断および感受性の確認が必要とされる結核ですが、培養に時間がかかり診断が遅れることもしばしばあります。
今回は、複十字病院での胃液検査の検査データから塗抹陰性肺結核にける胃液検査の診断への寄与を検討した論文をご紹介いたします。今後の結核診療のご参考になれば幸いです。