抄読会へのご参加、ありがとうございました。

20221026 抄読会へご参加いただき、ありがとうございました。


抄読会の内容を振り返らせていただきます。

1)桐生厚生総合病院の大澤先生からは、nivolumab治療をうけたNSCLC患者におけるirAEの前兆としての非特異的症状についての論文をご紹介いただきました。

2015年12月~2017年8月までnivolumab治療をうけた200人を対象とし、うち、46人にsignal symptomが生じました。発熱は21例(10.5%)、倦怠感は31例(15.5%)であり、nivolumab開始後からsignal symptomが生じるまでの中央値は29日、signal symptomからirAEが生じるまでの中央値は28日でした。Signal symptomを生じた46人中38人にirAEを生じました。irAEは全体で78人に生じ、うち38人にsignal symptomを生じました。多変量解析では、irAEの発症はPS0-1,signal symptomを生じた患者で有意に高率でした。Signal symptomがirAEの早期の発見やマネージメントに寄与する可能性についての論文をご報告いただきました。

2群馬大学医学部附属病院の澤田英先生からは、トリーチャーコリンズ症候群における閉塞性睡眠時無呼吸についての論文をご紹介いただきました。

トリーチャーコリンズ症候群では、頬骨と下顎骨の形成不全を生じるため、睡眠時無呼吸症候群を合併しやすく、本論文では46%(成人41%、小児54%)に睡眠時無呼吸症候群を合併していました。38の上気道関連の外科的介入は、17人の患者で実行されました。トリーチャー・コリンズ患者のOSASは重要な問題であるので、ポリソムノグラフィーによるスクリーニング、上気道の内視鏡検査による障害程度の確認、非侵襲性換気(CPAPやBiPAP)または気管切開は、治療様式として検討しなければならないとの報告でした。

来月の抄読会は、11月30日(水)19時〜です。よろしくお願いいたします。