古賀康彦先生の論文紹介です
2022/02/04
当科の古賀康彦助教が、肺内に沈着した結晶性シリカが特発性肺線維症の進行・予後に与える影響に関する研究をEnvironmental Science and Technology Lettersに報告しました。
「Progression of Idiopathic Pulmonary Fibrosis Is Associated with Silica/Silicate Inhalation」
Environ. Sci. Technol. Lett. 2021, 8, 10, 903–910
古賀先生からの論文の紹介になります。
「高崎量子応用研究所上席研究員(佐藤 隆博)と群馬大学大学院保健学研究科名誉教授(土橋 邦生)らとの共同研究により、特発性肺線維症特発性間質性肺炎の進行や予後に肺内に沈着した結晶性シリカが関わっていることを明らかにしました。シリカ暴露がANCA関連血管炎や全身性強皮症に関わっていることは古くから指摘され、アメリカ同時多発テロ事件や阪神淡路大震災後にANCA関連血管炎を発症した方が多発したことも報告されてきました。しかしながら、環境暴露さらにはシリカと特発性肺線維症との関わりは、これまで明確な報告はありませんでした。今回、イオンビーム照射技術を応用して肺組織中の元素成分の解析を行ったことで特発性肺線維症と吸入シリカとの関連性が見いだされました。本研究をきっかけとして、原因不明の特発性肺線維症の治療に結びつくことを願っています。」