8月24日の抄読会につきまして
医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様
皆様におかれましては、大変忙しい日々かと思いますが、今月も抄読会を定期開催させていただきます。
医学生、研修医の皆様にもZoomでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。
今月の紹介論文をご案内させて頂きます。
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8月24日(水)19:00〜 Zoom形式
1)群馬大学医学部附属病院 澤田友里
「非結核性抗酸菌症の治療までの期間が培養陰性化や死亡率に及ぼす影響について」
Impact of Time Between Diagnosis and Treatment for Nontuberculous Mycobacterial Pulmonary Disease on Culture Conversion and All-Cause Mortality.
Yunjoo Im, et al. Chest. 2022 May ; 161(5): 1192-1200.
当科では非結核性抗酸菌症の患者さんを診療する機会も多く、日本における罹患率は結核を超える重要な疾患となっています。しかし確定診断は必ずしも治療開始を意味する訳ではなく、経過観察を行いながら、年齢、症状、画像所見、基礎疾患などを含め、総合的に臨床医が治療適応や時期について判断することを求められる場面も少なくありません。今回の論文では、非結核抗酸菌症の診断から治療開始に至るまでの期間が予後に及ぼす影響について検討されています。今後の診療のご参考となればと思い、ご紹介させていただきます。
2)群馬大学医学部附属病院 原健太郎
「韓国における、急速なFEV 1低下と肺癌発生率について」
Rapid FEV 1 Decline and Lung Cancer Incidence in South Korea.
Hyun Woo Lee, et al. Chest. 2022 Aug;162(2):466-474.
低肺機能が肺がんの発生と関係していることが知られていますが,韓国からの報告である本論文では急速なFEV1の低下が肺がん発症に関して独立したリスク因子であることが示されています.
3)群馬大学医学部附属病院 星野裕紀
「COPD患者に対する1分間椅子立ち上がりテストのカットオフ値について」
Cut-off of the one-minute sit-to-stand test to detect functional impairment in people with chronic obstructive pulmonary disease.
Sara Souto-Miranda, et al. Med. 2022 Aug;199:106892.
6分間歩行試験(6MWT)は、COPD患者の機能評価のための指標として広く用いられています。しかし、長い廊下を必要とし、時間がかかるというデメリットがあります。他の簡便な測定法として1分間椅子立ち上がりテスト(STS)はCOPD患者における運動耐容能を評価する上で信憑性が高いことが報告されています。そこで1分間椅子立ち上がりテストが機能障害のあるCOPD患者とないCOPD患者の識別にどのような予測力を持つかについての報告を紹介させていただきます。