5月25日の抄読会につきまして

医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様

皆様におかれましては、大変忙しい日々かと思いますが、今月も抄読会を定期開催させていただきます。

医学生、研修医の皆様にもZoomでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。
今月の紹介論文をご案内させて頂きます。

=========================================
5月25日(水)19:00〜 Zoom形式

1)群馬大学医学部附属病院 宇野 翔吾
「非重篤、少量喀血に対する一次治療としての気管支動脈塞栓術のランダム化試験について」
Randomised trial of first-line bronchial artery embolisation for non-severe haemoptysis of mild abundance
M. Fartoukh, et al.BMJ Open Respir Res. 2021 Jun;8(1):e000949.
喀血に対する治療は、止血剤投与(保存的治療)、外科的治療、気管支動脈塞栓術(BAE)などがあります。どの治療を選択するかは原因疾患、バイタル、喀血量などから総合的に判断する必要があります。BAEは侵襲性が低く止血効果が高い治療ですが合併症のリスクもあります。どの重症度までBAEを検討すべきか考える上での参考になれば幸いです。

2)群馬大学医学部附属病院 矢冨 正清
「EGPAの新診断基準について」
2022 American College of Rheumatology/European Alliance of Associations for Rheumatology Classification Criteria for Eosinophilic Granulomatosis With Polyangiitis
Peter C. Grayson , et al. Ann Rheum Dis. 2022 Mar;81(3):309-314.
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、現在わが国では、年間の新規患者数が100例程度と推定されているが、未だ難治性で原因不明の小/中血管の血管炎である。その診断には、長年に渡って、LanhamのCSS基準や、日本では1998年に改訂された厚生労働省EGPA診断基準が用いられてきた。また、米国リウマチ学会ACRのEGPA分類基準もEGPAの判定に用いられてきた。2022年2月、ACRとEULARにより、新たなEGPA診断基準が提唱されたが、EGPA診断には、血管炎の診断が前提となった。今回、この新しいEGPA診断基準が提唱された原著論文を読み解き、EGPA診断基準について、その特徴を確認し、今後実臨床で用いる際の問題点や注意点なども挙げつつ議論したい。