4月26日抄読会につきまして
医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様
2023年度より改めて群馬大学の古賀が学術係を担当させていただきます。1年間、どうかよろしくお願いいたします。
早速ですが抄読会のご案内です。
医学生、研修医の皆様にもZoomでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。
今月の紹介論文をご案内させて頂きます。
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4月26日(水)19:00〜 Zoom形式
1) 群馬大学医学部附属病院 櫻井麗子先生
「包括的なゲノムプロファイリングパネルの胸部悪性腫瘍への臨床応用について:単一施設レトロスペクティブ研究」
K. Kunimasa, et al.
Clinical application of comprehensive genomic profiling panel to thoracic malignancies: A single-center retrospective study
Thorac Cancer. 2022;13:2970–2977.
がんの薬物療法は、がん種(臓器)ごとに殺細胞性抗がん薬、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬を組み合わせた治療が行われています。近年、がん遺伝子パネル検査が保険承認され、複数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子の変化が見つかった場合に、その遺伝子の変化に対して効果が期待できる薬剤や治験・臨床試験をデータベースなどで調べ、治療薬剤を検討するといった、がんゲノム診療が行われてきております。
大阪国際がんセンターより発表された胸部悪性腫瘍にする本論文を紹介するとともに、2021年6月より開始となった当院でのがんゲノム診療の現状についてご紹介させていただきます。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1759-7714.14643
2)群馬大学医学部附属病院 古賀 康彦
「特発性肺線維症に対するホスホジエステラーゼ4B阻害剤の試験」
Luca Richeldi et al., et al.
「Trial of a Preferential Phosphodiesterase 4B Inhibitor for Idiopathic Pulmonary Fibrosis」
Thorac Cancer. 2022; 386:2178-2187
特発性肺線維症の治療薬は2008年にピルフェニドン、2015年にニンテダニブが保険適応を有して以来、新薬が登場していません。今回は、いくつかの特発性肺線維症の治療候補薬の中で最も次の抗線維化薬として注目を集めているPDE4B阻害剤のPhase II studyの研究をご紹介させていただきます。本研究では単剤治療だけでなく、既存の抗線維化薬治療との併用効果も見られています。