3月22日抄読会につきまして
医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様
皆様におかれましては、大変忙しい日々かと思いますが、今月も抄読会を定期開催させていただきます。
医学生、研修医の皆様にもZoomでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。
今月の紹介論文をご案内させて頂きます。
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3月22日(水)19:00〜 Zoom形式
1) 渋川医療センター 大貫祐史先生
「結核性胸水の診断におけるスコアリングモデルについて」
Wu et al. A scoring model for diagnosis of tuberculous pleural effusion. BMC Pulmonary Medicine (2022) 22:332
結核性胸水の診断において、単一の臨床的特徴や臨床検査値の有効性は高くはなく結核性胸水の診断は実臨床で困難なことが多々あります。
本論文では、検査項目と臨床的特徴に基づいたスコアリング診断モデルを構築し、結核性胸水と非結核性胸水を鑑別することを目的とした診断モデルの紹介がされています。簡単ではありますが、今後の診療の参考にできればと思い、本論文を紹介させていただきます。
2)群馬大学医学部附属病院 武藤 壮平先生
「気管支拡張症に対するDPP-1阻害薬ブレンソカチブの第2相試験」
James D, et al. Phase 2 Trial of the DPP-1 Inhibitor Brensocatib in Bronchiectasis. N Engl J Med 2020; 383:2127-2137.
気管支拡張症患者は、好中球性炎症に関連すると考えられる増悪が頻回にみられます。
気管支拡張症患者の喀痰では、ベースライン時においても好中球エラスターゼなどの好中球セリンプロテアーゼの活性と量が高く、増悪の際はさらに増大する傾向にあります。
ブレンソカチブは、好中球セリンプロテアーゼの活性を担う酵素であるジぺプチジルペプチダーゼ1(DPP-1)を可逆的に阻害する経口薬であり、気管支拡張症の新たな治療法として期待されています。気管支拡張症は、2017年に欧州呼吸器学会から、2018年に英国胸部学会から立て続けに気管支拡張症に対するガイドラインが発表され、関心が高まっています。今後の診療の一助になればと考え、紹介をさせて頂きます。