2025年9月の抄読会、是非ご参加お待ちしています
医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様
今月も抄読会を開催いたします。
オンライン開催 ですので、医学生や研修医の皆さまも、ぜひお気軽にご参加ください!
診療の合間に、最新の知見や興味深いトピックについて情報共有できましたら幸いです。
以下に、紹介予定の論文をご案内いたします。
====== 9月24日(水)19:00〜 Microsoft Teams形式======
1.公立富岡総合病院 竹原 和孝先生
「FIBRONEER-ILD試験 PPFに対するネランドミラスト」
Maher TM, et al. Nerandomilast in Patients with Progressive Pulmonary Fibrosis. N Engl J Med. 2025 May 19. DOI: 10.1056/NEJMoa2503643
現在IPF以外のPPFにおいて、ニンテダニブのみの抗線維化治療が可能であるが、ニンテダニブ使用下における追加あるいは変更可能な抗線維化薬はない。
また既存の治療法であるニンテダニブは、進行性肺線維症(PPF)の進行抑制に一定の効果を示す一方で、消化器症状による治療中断がしばしば問題となる。本試験では、他の抗線維化薬を必要とする未治療または既治療のPPF患者を対象に、ネランドミラストの有効性および安全性を評価した。
主要評価項目は52週時点のFVCのベースラインからの絶対変化量、副次評価項目には急性増悪、呼吸器関連の入院、死亡までの期間が含まれた。
2.高崎総合医療センター 小林 夏緒先生
「肺結節に対するナビゲーション気管支鏡検査または経胸壁針生検」
R.J. Lentz, et al. Navigational Bronchoscopy or Transthoracic Needle Biopsy for Lung Nodules. The New England Journal of Medicine. 2025;392:2100-12.
検診などで発見された肺結節の診断には,気管支鏡検査やCTガイド下生検が行われることが多いかと思います.両者の相対的な診断精度は不明でしたが,本論文では診断精度や合併症の頻度について比較しており,日常診療に有用と思われるためご紹介いたします.
3.群馬大学医学部附属病院 清水 大輔先生
「ビタミンAが成人の肺機能に与える影響」
Róisín Mongey, Diana A van der Plaat, Seif O Shaheen, Laura Portas, James Potts, Matthew David Hind, Cosetta MinelliThorax 2025;80:236-244.
本研究では、UKバイオバンクのデータを用いて、食事性ビタミンA摂取量と成人肺機能との関連性を観察研究とメンデルランダム化法(MR)により調査しました。
その結果、観察研究およびMR分析の両方において、カロテン摂取量(特に血清ベータカロテン)が努力性肺活量(FVC)に対してのみ正の関連性を示すことが明らかになりました。今回の抄読会では、普段の食生活と関連し馴染みの深い栄養素であるビタミンAと肺機能の関連を報告した論文を紹介いたします。