2025年3月の抄読会

医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様

今月の抄読会のご案内です。 医学生、研修医の皆様にもオンラインでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。 今月の論文紹介をさせていただきます。


====== 3月26日(水)19:00〜 Microsoft Teams形式======

1)前橋赤十字病院  蜂巣 克昌先生

「IIPs患者における便秘の生存への関連」

Sho Takuma, et al. Association of constipation with the survival of patients with idiopathic interstitial pneumonias. Respir Investig. 2024 Nov;62(6):1204-1208.


私が好きな論文は、日常診療に役立ちそう、かつ自分でも工夫したらできそうだなーという論文です。論文漁ってはこんな発想があったかー、やっぱりみんな考える事同じだよねーなどと脳内思考をめぐらせております。

今回はIIPsと便秘に関する浜松医科大学からの報告を取り上げます。IIP患者433人を対象に単施設後方視的検討での解析を行い、経過観察中に便秘を発症した群、非発症群に分けて検討しています。急性増悪の発症には差は見られませんでしたが、なんと重症度に関わらず便秘群で生存期間を短縮したと彼らは報告しています。観察期間の中央値は44.8ヵ月で4年弱。

この規模の研究ができるかどうかはわかりませんが、ご紹介していきます。

2)群馬大学医学部附属病院 武藤 壮平先生

「気管支拡張症に対するブレンソカチブ WILLOW試験サブグループ解析」

James D. Chalmers, et al. ERJ Open Res 2025;11:00505-2024.

ブレンソカチブは、好中球セリンプロテアーゼの活性を担う酵素であるジぺプチジルペプチダーゼ1(DPP-1)を可逆的に阻害する経口薬であり、気管支拡張症の新たな治療法として期待されています。非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者を対象とした第II相WILLOW試験では, 気管支拡張症患者における増悪までの期間を延長することが示されました。

今回は、WILLOW試験のサブグループ解析(気管支拡張症重症度指数スコア・前年の増悪回数・血中好酸球数・長期マクロライド使用・緑膿菌培養)に関しての論文を紹介致します。