2024年5月の抄読会
医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様
今月の抄読会のご案内です。 医学生、研修医の皆様にもオンラインでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。 今月の紹介論文をご案内させて頂きます。
====== 5月22日(水)19:00〜 Microsoft Teams形式======
群馬大学医学部附属病院 矢冨 正清先生
「好酸球性喘息におけるTezepelumabとMepolizumab、Benralizumab、Dupilumabの有効性の比較:A Bayesian Network Meta-analysis」
Tanawin Nopsopon et al. Comparative Efficacy of Tezepelumab to Mepolizumab, Benralizumab, and Dupilumab in Eosinophilic Asthma: A Bayesian Network Meta-analysis
近年、我が国ではTypeⅡ炎症に起因する重症喘息に対して、使用可能な生物学的製剤が増えつつある。また、それぞれの生物学的製剤の特徴を生かし、その使い分けも示されてきている。しかし、今後これら生物学的製剤の直接比較試験が行われる可能性は低く、優位性の判断は難しい。本研究では、ネットワークメタアナリシスという、複数の臨床研究の結果を統計学的に統合する解析法を用いて、増悪率、FEV1.0、ACQを間接比較した。ネットワークメタアナリシスは強固なエビデンスではないが、本研究結果から、生物学的製剤を選択するうえで有用な情報がみえた可能性がある。
群馬大学医学部附属病院 若松 郁生先生
「一酸化炭素チェッカー付き禁煙スマートフォンアプリのランダム化比較試験」
Katsunori Masaki et al. A randomized controlled trial of a smoking cessation smartphone application with a carbon monoxide checker. npj Digital Medicine (2020) 3:35
2019年に禁煙治療支援アプリ:CureAppSCの有効性が示され、2020年に保険適応となり、現在多くの医療機関の禁煙外来で処方されています。禁煙治療は多くの呼吸器疾患の発症・進行を阻止する重要な予防医療であり、今後デジタル医療の導入も進むことが予想されるため、実際の禁煙支援アプリの使い方、処方についても併せてご紹介します。