2月16日の抄読会につきまして

医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様

皆様におかれましては、大変忙しい日々かと思いますが、今月も抄読会を定期開催させていただきます。

医学生、研修医の皆様にもZoomでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。
今月の紹介論文をご案内させて頂きます。

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2月16日(水)19:00〜 Zoom形式

前橋赤十字病院 江澤 一真

「HER2 陽性非小細胞肺癌に対するトラスツズマブ デルクステカン」
Trastuzumab Deruxtecan in HER2-Mutant Non–Small-Cell Lung Cancer B.T. Li and Others. N Engl J Med 2022; 386:241-251.
近年、非小細胞肺癌に対する分子標的治療の進歩は目を見張るものがあります。現在、EGFR、ALK、ROS1、BRAF、NTRK、MET、RET、KRAS(G12C)の遺伝子異常があれば、それぞれに対する有効な分子標的薬があります。さらに、 HER2の遺伝子異常は非小細胞肺癌の約2%で認めます。HER2陽性乳癌や胃癌では分子標的薬が効果的ですが、非小細胞肺癌ではまだ効果が証明されていません。
今回、2022年1月のThe New England Journal of MedicineでHER2陽性非小細胞肺癌に対するトラスツズマブデクステカン(エンハーツⓇ)の第Ⅱ相試験の結果が報告されており、紹介したと思います。

前橋赤十字病院 岩下 広志

「重症喘息におけるメポリズマブによる治療の最初の2年間の転帰」

Outcomes over the first two years of treatment with mepolizumab in severe asthma

EUROPEAN RESPIRATORY JOURNAL 2021; 58:

リアルワールドでメポリズマブ長期治療患者群の報告になります。

群馬大学医学部附属病院 前野 敏孝

メトホルミンを投与している糖尿病併存COPD患者における肺拡散能の経年低下の減少 Reduced decline of lung diffusing capacity in COPD patients with diabetes and metformin treatment. Kahnert K, Andreas S, et al. Sci Rep. 2022 Jan 26;12(1):1435.
COPD患者では様々な併存症が生じます。COPD患者の管理においては、それらの併存症の管理も重要です。今回、重要な併存症の一つである糖尿病に注目し、糖尿病を併存したCOPD患者における、メトホルミンの使用と呼吸機能低下との関連について検討した研究をご紹介します。COPD治療におけるメトホルミンの可能性について、考えていくことができればと思います。