砂長則明先生の論文紹介です

当科の砂長則明診療准教授が、ご自身がGuest Editorを勤めた Special Issue “Lung Cancer: Targeted Therapy and Immunotherapy”に総説を報告しました。

「Targeting Oncogenic KRAS in Non-Small-Cell Lung Cancer」
Sunaga N, Miura Y, Kasahara N, Sakurai R. Cancers (Basel). 2021 Nov. 26;13(23):5956.

砂長先生からの論文の紹介になります。

「KRAS遺伝子変異は非小細胞肺癌(NSCLC)において頻度の高いドライバー変異ですが、その治療開発の難しさから「undruggable target(創薬が不可能な標的分子)」と呼ばれていました。ようやく2021年になり、NSCLCにおけるKRAS変異で最も高頻度のサブタイプであるKRAS G12C変異に対する阻害薬ソトラシブがFDAに承認されましたが、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬と比較して低い奏効率や短い奏効期間が課題となっており、KRAS阻害薬と他の抗癌薬との併用療法の有効性を検証するための多くの臨床試験が進行中です。本論文は、KRAS変異陽性NSCLCの高い不均一性を特徴とした生物学的および免疫学的特性や、KRAS阻害剤の前臨床および臨床データ、KRAS阻害剤に対する耐性メカニズムについてまとめたものであり、この総説がKRAS変異陽性NSCLCに対する皆様のご理解の一助になれば幸いです。」