矢冨先生のAPAPの症例報告がアクセプトされました

矢冨先生が診られている自己免疫性肺胞蛋白症の一例のケースレポートがBMC pulmonary medicineにアクセプトされました。
おめでとうございます。

矢冨先生のMDA-5陽性間質性肺炎に合併した自己免疫性肺胞蛋白症の一例がBMC Pulm Medに掲載されました。
おめでとうございます。

以下、要約ですが世界的にも初めての報告のようです。

背景: 自己免疫性肺胞蛋白症 (APAP) は、肺胞にリポタンパク質が異常に蓄積するびまん性肺疾患ですが、その病因は不明のままです。最近、皮膚筋炎の経過中に APAP の症例が報告されています。これら 2 つの疾患の組み合わせは偶然の可能性もありますが、APAP と皮膚筋炎に伴う間質性肺炎の再発を区別することが難しいため、見落とされている可能性があります。この教訓的な症例は、早期の APAP 精査の必要性を示しています。

症例提示:50歳女性。2021年4月に抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎合併間質性肺炎の診断を受けました。コルチコステロイド、タクロリムス、シクロホスファミドパルス療法を施行し、症状および間質性肺炎は改善しました。治療開始から8カ月後、新たな間質影が出現悪化しました。そのため、シクロホスファミドパルス療法をさらに3コース実施しましたが、呼吸器症状および間質影は改善しませんでした。呼吸不全が進行し、治療開始から14カ月後、気管支鏡検査で肺胞洗浄液の混濁、多数の泡沫状マクロファージが認められました。血液検査の結果、抗GM-CSF抗体値が高く、APAPと診断されました。患者は全肺洗浄を受け、呼吸障害は速やかに改善しました。抗MDA5抗体陽性皮膚炎の診断時保存血清においても抗GM-CSF抗体が陽性でした。

結論:これは、免疫抑制療法中に発症し、間質性肺炎の再悪化と誤診される可能性のある、APAPを伴う間質性肺炎を合併した抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の最初の報告です。抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎ではAPAP合併が見逃されている可能性があり、APAPの発症を念頭に置き、気管支肺胞洗浄液や抗GM-CSF抗体測定による早期評価を検討する必要があります。


A case of autoimmune pulmonary alveolar proteinosis during the course of treatment of rapidly progressive interstitial pneumonia associated with anti-MDA5 antibody-positive dermatomyositis.
Yatomi M, Akasaka K, Sato S, Chida M, Kanbe M, Sawada H, Yokota I, Wakamatsu I, Muto S, Sato M, Yamaguchi K, Miura Y, Tsurumaki H, Sakurai R, Hara K, Koga Y, Sunaga N, Yamakawa H, Matsushima H, Yamazaki S, Endo Y, Motegi SI, Hisada T, Maeno T.
BMC Pulm Med. 2024 Apr 8;24(1):170.
https://bmcpulmmed.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12890-024-02989-9