抄読会へのご参加、ありがとうございました。

20220824 抄読会へご参加いただき、ありがとうございました。

抄読会の内容を振り返らせていただきます。

1)群馬大学医学部附属病院の澤田先生からは、NTMの治療開始時期についての論文をご紹介いただきました。
肺NTMと診断後6ヶ月以上治療を行った712名を調べ、BACES system(BMI, age, cavity, ESR, sex)に基づいて検討しました。38%が軽症、48%が中等症、14%が重症と判断され、治療開始までの待機期間は4.8ヶ月 (1.3-20.8ヶ月)でした。67%は6ヶ月以内に培養陰性となり、19%は死亡しました。単変量・多変量解析で調整BACES 重症度において、待機期間と6ヶ月後の培養陰性または死亡との相関は認められませんでした。しかし6ヶ月後の培養陰性と死亡については負の相関が認められました。12ヶ月以上治療を行った群では、12ヶ月での培養陰性は死亡減少に相関したとの報告でした。

2)群馬大学医学部附属病院の星野先生からは、COPD患者に対する1分間椅子立ち上がりテストについての論文をご紹介いただきました。
COPD135人を対象に行った試験で、6分間歩行で300、350、400、450mでの評価を行った際、<450mの症例を除いて、cut-off値19.5となりました。すべてのAUCsは、優れた識別(AUCs = 0.812–0.901)を示し、特に6分間歩行<300mにおいて、機能障害の有無にかかわらず、86%の特異度と83%の感度をもって、もっともよい予測能力を示しました。
1分間椅子立ち上がりテストで20回以上の症例と比べ、cut-off以下の症例は合併症の割合や労作時息切れの頻度、病気の悪化の頻度、QOLの低下や肉体的活動性の低下、機能評価の悪化が見られたとの報告でした。

またご発表いただく予定であった原先生は緊急対応のため、日程を改めてご発表いただく予定です。

来月の抄読会は、9月28日(水)19時〜です。よろしくお願いいたします。