山口公一先生の論文紹介です

先月に引き続き、当科の山口公一先生の論文の紹介です。Respiratory Medicineにアクセプトされました。
おめでとうございます。

Influence of obesity in interstitial lung disease associated with anti-aminoacyl-tRNA synthetase antibodies

Respiratory Medicine Volume 193, March 2022, 106741

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0954611122000063?via%3Dihub

山口先生からの論文の紹介になります。

今回ARS抗体症候群における肥満の影響に関して報告しました。ARS抗体は皮膚筋炎や皮膚筋炎所見のない間質性肺炎、その他膠原病で陽性になることが知られている自己抗体です。ARS抗体陽性の患者群は間質性肺炎をよく合併することが知られています。また呼吸器疾患と肥満に関して近年喘息や慢性閉塞性肺疾患において病態の関連性が報告されています。ただしARS抗体陽性間質性肺炎に関しては不明な点が多く今回後方的に臨床研究を行いました。診断時に肥満を合併したARS抗体陽性間質性肺炎は非肥満群に比べて間質性肺炎の再発率が高く、同時に胸部CTで解析した胸部の皮下脂肪・内臓脂肪組織が多いことが分かりました。とくに胸部の皮下脂肪が多い群はより間質性肺炎の再発率が高い結果でした。今後は体重増加・減少が再発率に関与するかまた病態解明に関してさらに研究をすすめられればと考えています。

SAT index (皮下脂肪インデックス)の高い群ではILDの再発率が高かった (b)