山口公一先生の論文紹介です。
この度、山口公一先生の論文がClin Rheumatol.にアクセプトされました。おめでとうございます。
Yamaguchi K, Yamaguchi A, Ito M, Wakamatsu I, Itai M, Muto S, Uno S, Aikawa M, Kouno S, Takemura M, Yatomi M, Aoki-Saito H, Koga Y, Hara K, Motegi S, Tsukida M, Ota F, Tsukada Y, Motegi M, Nakasatomi M, Sakairi T, Ikeuchi H, Kaneko Y, Hiromura K, Maeno T.
Clinical differences among patients with myeloperoxidase-antineutrophil cytoplasmic antibody-positive interstitial lung disease.
Clin Rheumatol. 2022 Oct 4. doi: 10.1007/s10067-022-06388-5.
以下、山口先生からの論文紹介となります。
今回、抗好中球細胞質抗体 (ANCA)陽性の間質性肺炎(ILD)の臨床所見と経過を調べました。ANCA関連血管炎および特発性間質性肺疾患 (IIP) は、MPO-ANCA 陽性を認めることが知られています。MPO-ANCA 陽性の血管炎は、主に顕微鏡的多発血管炎 (MPA) と分類不能の血管炎で構成されます。これらの疾患は、しばしば間質性肺疾患 (ILD) を合併します。MPO-ANCA陽性ILDのサブタイプ間の臨床的差異を報告した研究はほとんどありません。このレトロスペクティブ研究では、MPA ( n = 44)、分類不能型血管炎 ( n = 29)、および IIP ( n = 27)のMPO-ANCA 陽性 ILDの 100 人が登録されました。私たちの研究では、これら3つのグループ間で血清マーカー、臨床症状、および治療レジメン、直接死因となるILD 合併症の頻度が異なることを示しました。また分類不能型血管炎は、IIPよりも高い生存率を示しました。AE-ILD 合併例は、AE-ILDのない場合よりも一般的な症状が少なく、低い生存率を認めました。多変量解析では、AE-ILD の発生は MPO-ANCA 陽性 ILD の強力な予後不良因子でした。今後はANCA陽性IIPやAE-ILDのデータ集積と病態解明を行い治療に結び付けるような研究を継続できればと考えています。