専攻医 神戸先生の論文紹介です。
この度、専攻医の神戸先生のcase reportがThorac Cancerにアクセプトされました。おめでとうございます。
Kanbe M, Sunaga N, Hara K, Sawada H, Wakamatsu I, Hara K, Muto S, Sawada Y, Masubuchi H, Sato M, Miura Y, Tsurumaki H, Yatomi M, Sakurai R, Koga Y, Ohtaki Y, Nagashima T, Okano N, Kubo N, Maeno T, Hisada T.
Durable response to afatinib rechallenge in a long-term survivor of non-small cell lung cancer harboring EGFR L858R and L747V mutations
Thorac Cancer. 2022;1–4. PMID: 36193787 DOI: 10.1111/1759-7714.14678
以下、神戸先生からの論文紹介となります。
「EGFR活性型変異(エクソン19欠失およびL858R変異)を有する非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対する標準治療としてEGFRチロシンキナーゼ阻害剤が使用されますが、それ以外のいわゆる”EGFR uncommon変異”陽性患者に対する治療法は未だ確立されていません。中でも、L747X(L747P/S/V)変異は非常に稀なEGFR変異サブタイプです。
本症例報告では、右上葉原発性肺癌術後再発に対してゲフィチニブ療法を行い長期の無増悪生存が得られましたが、その後もサルベージ手術、放射線療法、化学療法による治療と再発を繰り返していました。肺切除検体を用いたFoundationOne® CDx検査にてEGFR L858R/L747V複合変異が判明し、肺・膵・縦隔リンパ節転移に対してアファチニブ治療を開始したところ、12カ月の無増悪生存期間が得られました。EGFR L747V変異陽性NSCLC患者に対するアファチニブの臨床的有効性とともに、適切なタイミングでの全身療法と転移病変に対する局所療法を組み合わせた治療戦略が長期生存に寄与した可能性が考えられます。
神戸美欧」