前橋赤十字病院 蜂巣先生の論文紹介です。

この度、前橋赤十字病院 蜂巣先生の論文がMedicina にアクセプトされました。おめでとうございます。

Hachisu Y, Koga Y, Kasama S,  Kasama S, Kaira K, Uno S, Yatomi M, Aoki-Saito H, Tsurumaki H, Jingu A, Sunaga N, Maeno T and Hisada T

The Relationship between Tumor Development and Sarcoidosis in Aspects of Carcinogenesis before and after the Onset of Sarcoidosis

Medicina (Kaunas). 2022 Jun 6;58(6):768. doi: 10.3390/medicina58060768.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9230813/

以下、蜂巣先生からの論文紹介となります。

「前橋赤十字病院の蜂巣です。

今回ご紹介させて頂くのは以前私が大学にいた際に行っていた研究をまとめたものになります。なかなかいい返事がもらえませんでしたが、何とかacceptまでこぎつけて頂いた古賀先生に厚く御礼申し上げます。

サルコイドーシスと腫瘍が合併することは時折ありますが、サルコイドーシスが先行し腫瘍が発生した場合、腫瘍が先行しサルコイドーシスが発生した場合の違いに検討した報告はありません。本研究は10年間で317例の新規サルコイドーシス患者を登録し、サルコイドーシス診断後の腫瘍発症、サルコイドーシス診断前の腫瘍発症に分けて解析を行いました。興味深いことにサルコイドーシス診断前に腫瘍が発生した場合、サルコイドーシスの罹患臓器数は少なく、全身ステロイドの投与も腫瘍が関連しなかった群と比べ少ない結果でした。サルコイドーシスはTh1優位の疾患ですが腫瘍免疫と類似した変化があるのかもしれません。最近腫瘍に対するICI投与でサルコイドーシス様の肉芽腫形成が見られ、Th17/IL-17の誘導がみられるとの報告があります。今後の解析で更にサルコイドーシスと腫瘍の関連が明らかになっていけばと考えております。

普段は急性期疾患を中心に診療、研究をしております。当院でサ症300例も集めるのは困難ですが、重症肺炎、間質性肺炎等であれば山ほどいますので興味のある方はご相談ください。

前橋赤十字病院 呼吸器内科 副部長 蜂巣 克昌

yhachisu2002@yahoo.co.jp」