2021年5月26日 抄読会のご参加ありがとうございました。

【2021/05/27】

昨日は、抄読会にご参加いただきました皆様ありがとうございました。
今回も多施設から非常に多くの先生方にご参加いただきました。
活発な議論を頂きありがとうございました。
ただ司会の不手際で時間がオーバーしてしまい大変申し訳ありませんでした。

抄読会の内容を振り返らせていただきます。

宇野翔吾先生には、私たちがあまり診ることのないノカルジア感染症の実臨床データを紹介していただきました。ノカルジアは免疫抑制状態の方(67例)だけでなく、非免疫抑制状態(45例)の方でも鑑別しなければならない感染症であることが論文から伝わってきました。ノカルジアの標準治療はST合剤の内服ということでしたが、ステロイド長期内服中の少量ST合剤でもノカルジア感染を引き起こし、空洞や浸潤影、スリガラス病変などの多彩な病変を呈すること、またアスペルギルスや非結核性抗酸菌症などの混合感染癌を合併しやすいことなど、とても勉強になった内容でした。ノカルジア感染症は放線菌であるためグラム染色が診断に有用で、培養に3-7日間を要するために、ノカルジアの診断には長期間の培養を依頼する必要があります。今までの感染症検査の際に、ノカルジアを念頭に入れて細菌検査を依頼していなかったと反省しました。

大澤翔先生からは今最もHOTなCOVID-19治療のステロイドの種類についての最新の報告を紹介していただきました。COVID-19にはデキサメタゾン(DEX)が唯一のエビデンスになっていますが、私たち呼吸器内科医はむしろメチルプレドニゾロン(mPSL)の方が使い慣れています。今回の論文では、酸素吸入を必要とする中等症以上のCOVID-19患者へのDEX 6mg/bodyとmPSL 2mg/kgの効果を比較する小規模スタディーで、症例の割り付けは44例と42例で少ないのがlimitationでした。mPSLの方が有意に、投与10日目の臨床状態のスコアが良好で機械換気の導入が少なかった結果でした。酸素吸入を必要とするCOVID-19にはmPSLの方が良いのか、高容量のステロイドが良いのかという議論が出ましたが、大規模スタディーの結果が望まれるところです。複数の先生が指摘されていましたが、重症度、体重などで容量を調節するのが良いのかが解明されて欲しいところです。

山口公一先生からは、山口先生の膠原病肺への熱意が伝わってくる研究内容のご紹介が非常に豊富で、今回の発表だけではもったいないほど濃い結果でした。興味深かったのが今回の肥満と間質性肺疾患(ILD)の関係を示した論文を紹介した経緯でした。紹介論文の中で、100kg近いILD患者の体重減少が肺機能やKL-6の改善と相関するという結果が面白い内容でした。ILDといえば、ほとんどの方が痩せ型で肥満のILDの方がまったく頭の中に出てこなかったので、症例数を集める苦労が容易に想像出来ました。

来月の抄読会は、6月23日(水)19時~です。
次回からは1時間を目安に抄読会を運営して参りたいと思います。
(次回もCOVID-19の流行状況によっては、抄読会の機会に各病院の状況を伺わせていただくかもしれません)

皆様のご参加をお待ちしております。

古賀康彦
ykoga@gunma-u.ac.jp

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