月別お知らせ一覧: 2021年05月

COVID-19治療の概況報告です

2021/05/28 

COVID-19治療の概況報告です

 

5月26日の抄読会には多くの施設の先生にご参加いただきました。

大変ありがとうございました。

うち6施設の地域中核病院のCOVID-19治療の現状についてお話しを伺うことができました。

時間の関係上、おおまかな内容を簡単に伺っただけでしたが、6施設の現在の治療概況のまとめをご報告させていただきます。

 

群馬大学医学部附属病院では第4波の変異株によって症例の若年化と重症化が問題となっています。従来株はデキサメタゾンで抑えられる印象が強かったですが、変異株の重症度と重症化のスピードは従来株と異なっていてデキサメタゾン単剤ではとても太刀打ちできないケースが増えてきています。

 

今回の6施設の治療概況を伺った限りでは、レムデシビルやステロイドパルスを積極的に採用している施設もあれば全く使用してない施設もあったりと、中等症以上のCOVID-19治療が未だ手探りの状態で標準化していない問題が浮き彫りになったと感じました。

 

群馬大学医学部附属病院では酸素投与が開始となる中等症IIではデキサメサゾン開始、さらに悪化したりICUに入室するようになったケースに関しては、変異株が主流となった5月中旬以降はデキサメサゾンにレムデシビルとバリシチニブを併用するケースが増えてきています。

この治療方針は、日本国内のCOVID-19治療最前線の医療機関からの最近のご報告を参考にさせていただきながら決定したものです。

(本日公表された、COVID-19 診療の手引き 第5版でも中等症II以上で3剤併用療法がイラストで示されています。ステロイドとバリシチニブ併用の有用性はmedRxivで公表されたCOV-BARRIER試験でバリシチニブ併用群の死亡率の有意な低下が示され、特に高容量酸素投与か侵襲的人工呼吸症例の死亡率の改善効果が顕著だったようです。)

アクテムラは保険適応外なので当院では使用していません。

 

このまま第4波が収束してくれることを願いますが、COVID-19の流行状況を見ながら、来月の抄読会でも各病院の情報交換が出来ればと思っております。

 

古賀康彦

 

 

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2021年5月26日 抄読会のご参加ありがとうございました。

2021/05/27 

昨日は、抄読会にご参加いただきました皆様ありがとうございました。
今回も多施設から非常に多くの先生方にご参加いただきました。
活発な議論を頂きありがとうございました。
ただ司会の不手際で時間がオーバーしてしまい大変申し訳ありませんでした。

抄読会の内容を振り返らせていただきます。

宇野翔吾先生には、私たちがあまり診ることのないノカルジア感染症の実臨床データを紹介していただきました。ノカルジアは免疫抑制状態の方(67例)だけでなく、非免疫抑制状態(45例)の方でも鑑別しなければならない感染症であることが論文から伝わってきました。ノカルジアの標準治療はST合剤の内服ということでしたが、ステロイド長期内服中の少量ST合剤でもノカルジア感染を引き起こし、空洞や浸潤影、スリガラス病変などの多彩な病変を呈すること、またアスペルギルスや非結核性抗酸菌症などの混合感染癌を合併しやすいことなど、とても勉強になった内容でした。ノカルジア感染症は放線菌であるためグラム染色が診断に有用で、培養に3-7日間を要するために、ノカルジアの診断には長期間の培養を依頼する必要があります。今までの感染症検査の際に、ノカルジアを念頭に入れて細菌検査を依頼していなかったと反省しました。

大澤翔先生からは今最もHOTなCOVID-19治療のステロイドの種類についての最新の報告を紹介していただきました。COVID-19にはデキサメタゾン(DEX)が唯一のエビデンスになっていますが、私たち呼吸器内科医はむしろメチルプレドニゾロン(mPSL)の方が使い慣れています。今回の論文では、酸素吸入を必要とする中等症以上のCOVID-19患者へのDEX 6mg/bodyとmPSL 2mg/kgの効果を比較する小規模スタディーで、症例の割り付けは44例と42例で少ないのがlimitationでした。mPSLの方が有意に、投与10日目の臨床状態のスコアが良好で機械換気の導入が少なかった結果でした。酸素吸入を必要とするCOVID-19にはmPSLの方が良いのか、高容量のステロイドが良いのかという議論が出ましたが、大規模スタディーの結果が望まれるところです。複数の先生が指摘されていましたが、重症度、体重などで容量を調節するのが良いのかが解明されて欲しいところです。

山口公一先生からは、山口先生の膠原病肺への熱意が伝わってくる研究内容のご紹介が非常に豊富で、今回の発表だけではもったいないほど濃い結果でした。興味深かったのが今回の肥満と間質性肺疾患(ILD)の関係を示した論文を紹介した経緯でした。紹介論文の中で、100kg近いILD患者の体重減少が肺機能やKL-6の改善と相関するという結果が面白い内容でした。ILDといえば、ほとんどの方が痩せ型で肥満のILDの方がまったく頭の中に出てこなかったので、症例数を集める苦労が容易に想像出来ました。

来月の抄読会は、6月23日(水)19時~です。
次回からは1時間を目安に抄読会を運営して参りたいと思います。
(次回もCOVID-19の流行状況によっては、抄読会の機会に各病院の状況を伺わせていただくかもしれません)

皆様のご参加をお待ちしております。

古賀康彦
ykoga@gunma-u.ac.jp

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5月26日(水)抄読会の開催につきまして

2021/05/19 

医学生の皆様、研修医の皆様、医会員の皆様

皆様におかれましては、大変忙しい日々かと思いますが、今月も抄読会を定期開催させていただきます。

医学生、研修医の皆様にもZoomでの開催のため、お気軽にご参加いただきたいと思っています。
今月の紹介論文3本をご案内させて頂きます。

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5月26日(水)19:00〜 Zoom形式

① 宇野 翔吾、 群馬大学医学部附属病院

「ノカルジア感染症の合併症と予後について」

「Manifestations and outcomes of nocardia infections

-Comparison of immunocompromised and non-immunocompromised adult patients-」

Julie Stainbrink, et al., Medicine 2018 97:40.

ノカルジアは主に肺に吸入され感染を起こす放線菌の一種で、肺異常陰影の原因になることがあります。典型的には免疫不全患者に日和見感染症として発症する事が多いですが、一方で免疫不全のない方への感染も一定数見られ症状も様々です。またノカルジアを診断するには細菌検査を行う時点でノカルジアを想定した対応をする必要があります。感染のリスク因子や、免疫不全患者と非免疫不全患者それぞれの症状、画像所見の共通点・相違点等の再確認の機会になれば幸いです。

 

② 大澤 翔、 桐生厚生病院

「メチルプレドニゾロンとデキサメタゾン、COVID-19にどちらのステロイドが優れているのか:トリプル盲検ランダム化試験」
「Methylprednisolone or dexamethasone, which one is superior corticosteroid in the treatment of hospitalized COVID-19 patients: a triple-blinded randomized controlled trial.」

 

Ranjbar et al. BMC Infectious Diseases 2021;21:337.

 

現在、本邦では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第4波の最中にあり、重症者数の増加が日々深刻化しています。そして現在治療薬のさまざまな臨床試験が進んでいます。その中で副腎皮質ステロイドであるデキサメタゾンは中等症以上の患者群で死亡率の改善が認められ、各国のガイドラインなどでその投与が推奨されています。一方で同じステロイドであるメチルプレドニゾロンもパルス療法などで我々が日常診療で頻回に使用している薬剤です。この論文はデキサメタゾンに対してメチルプレドニゾロンの有用性を評価したものです。本論文をとおしてCOVID-19に対してのステロイドの使い方について検討したいと思います。

 

 

③ 山口 公一、群馬大学医学部附属病院

「肥満患者の間質性肺炎における呼吸機能に対する体重減少の有益な影響」
「Beneficial impact of weight loss on respiratory function in interstitial lung disease patients with obesity」

Akimasa Sekine et al.

Respiratory Investigation 59(2) 2021: 247-251

 

間質性肺疾患(ILD)の患者は、日常生活の悪化やプレドニゾロンの副作用により、一般的に肥満または体重過多になります。肥満は炎症を助長することが知られており慢性閉塞性肺疾患やコロナウイルスで報告はありますが機序自体も不明な点があります。またILDに関してはほとんど報告がありません。本研究では肥満合併の間質性肺炎患者を対象に2kg以上の減量を行い呼吸機能検査の改善の有無、同時にKL-6の変化をみています。

本研究にともに当院での肥満患者と間質性肺炎の臨床的な検討や私自身が群馬大学で行ってきた膠原病関連間質性肺炎のここ数年の臨床的な報告もさせていただければ幸いです。

 

連絡が届いていない方で、御参加をご希望の方は以下の連絡先までお知らせください。お待ちしております。

 

群馬大学医学部附属病院 呼吸器・アレルギー内科
古賀 康彦
E-mail:ykoga@gunma-u.ac.jp

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第61回 日本呼吸器学会学術講演会

2021/05/10 

少し前の事になりますが、4月24日(土)に、東京国際フォーラムで開催されていた日本呼吸器学会学術講演会に口演があったため行って来ました。

現地発表では、貴重なご意見や質問をいただけました。

想像していたよりも、オンサイト参加者がとても少なくて驚きました。

 

写真からもわかるように、普段は参加者で混み合っている入り口のオープンスペースもほとんど人影がありませんでした。

 

また、いつも混み合っていて近寄らない医学書販売コーナーもずっと閑古鳥が鳴いていました。

お陰様で、何冊かの興味深い新刊を手に取って拝見できたので、これから勉強しようと思っています。

 

・非結核性抗酸菌症マネージメント 2020/10/30

https://kokyurinsho.com/bookreview/784949373/

・症例で学ぶ非結核性抗酸菌症  2020/11月

https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/107142

・症例から学ぶ薬剤性肺障害   2020/12/15

https://www.jmedj.co.jp/book/search/detail.php?id=2013

・薬剤性肺障害分析ファイル   2021/5/12

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784524230761

 

 

 

 

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